動物のお話でやさしさを伝える
やさしい動物のキャラクターが、思いやりを教えるすてきな先生になる理由。そして、どんなお話も「人を思いやること」を話すきっかけに変える、かんたんな方法をご紹介します。
文: Rainbow Trail チーム · · 約3分で読めます
5歳の子に「まいごの小鳥は、どんな気持ちかな?」と聞いてみると、心からの答えが返ってくることがよくあります。「かなしい。ママに会いたいの」。小さな子どもは、自分の大きな気持ちを言葉にするのは苦手でも、動物のなかまの気持ちには、驚くほどすんなり気づけることがあるのです。
動物のお話が、何世代にもわたって子ども時代の一部であり続けてきた理由のひとつがここにあります。小さくて親しみやすい生きものは、子どもにとって安心できる「ほどよい距離」をつくってくれます。気持ちは本物だけれど、それは自分ではなくだれかのもの。だからこそ、気持ちについて考えやすくなるのです。
動物のキャラクターが効果的な理由
- 身近に感じられるけれど、自分のことではない。 はずかしがりやのちょうちょや、心配そうな子ギツネは、子どもが知っている気持ちを映し出しますが、子ども自身を問いつめることはありません。
- 困っていることが、シンプルで目に見える。 まいご、おなかがすいた、動けない、さみしい――動物に何が必要なのか、小さな子どもにもすぐにわかります。
- 助けることが、自分にもできそうに思える。 小さな動物をなぐさめることは、子どもが自分でもできると想像できる、やさしい行動です。
お話を「やさしさの会話」に変えるには
特別な準備はいりません。お話のあとに、やさしい質問をいくつかするだけで、子どもは思いやりを練習できます。
- 気持ちに名前をつける。「家族が見つからなかったとき、小鳥はどんな気持ちだったと思う?」
- 助けた人に注目する。「だれが助けてくれた?どんなことをしたかな?」
- 毎日の生活とつなげる。「まいごになったり、心配になったりしたことはある?何があると安心できた?」
- やさしさを想像する。「そんな気持ちの子に会ったら、どんなことができるかな?」
やさしさは、言葉よりも姿で伝わる
子どもがやさしさを学ぶのは、なによりも「見ること」からです。お話がいちばん心に届くのは、キャラクターが思いやりを行動で見せるとき。不安そうな友だちのそばにしずかにすわる、いっしょにゆっくり深呼吸する、じっくり耳をかたむける。まいごの小さな小鳥では、ベンとソフィーはあわてて何とかしようとはせず、まず小鳥の気持ちを想像します。その小さな「間」は、子どもにとって、とても大切なお手本になります。
こうした場面は、毎日の生活の中でもくり返し伝えられます。「お友だちがかなしそうなのに気づいたね。やさしいね」「パピーはとってもやさしかったね。あなたがねこにやさしくしたときみたい」。
気軽に、楽しく
すべてのお話でふり返りをする必要はありません。ただお話を楽しみたいときもあって、それでまったく大丈夫です。見終わってすぐに長く話すより、おふろの時間や公園へ歩く途中に、ひとつだけ質問するほうが、心に残ることもあります。
やさしさは、毎日の小さな時間の中で育ちます。ひとつのお話、ひとつの質問、ひとつのやさしいお手本から。

